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新聞読者は SDGs、社会課題への取り組みを紹介する広告をどう読んでいるのか ― 「16 紙共同 SDGsに関する調査、個人や企業の社会的な課題への取り組み調査」結果 ―
新聞広告共通調査プラットフォーム「J-MONITOR(ジェイ・モニター)」に参加する 16 新聞(朝日新聞、産経新聞、日本経済新聞、毎日新聞、読売新聞、北海道新聞、河北新報、東京新聞、新潟日報、信濃毎日新聞、静岡新聞、中日新聞、山陽新聞、中国新聞、西日本新聞、日刊スポーツ)は各紙の読者モニターを対象として 21 年 10 月と 22 年 1 月、「SDGs、個人や企業の社会的な課題への取り組み」を紹介する新聞広告を、読者がどう読んでいるのかを共同で調査しました。
新聞読者の「SDGs 認知度」は 95.3%
10 月調査では新聞読者が SDGs についてどの程度の認知度があるのかを調査しました。「内容を詳しく知っている」(7.3%)、「内容をある程度知っている」(60.9%)、「名前を聞いたことがあるが、内容までは知らない」(27.2%)を足し上げたスコアは 95.3%と、新聞読者の SDGs 認知度の高さを確認できました。 SDGsの内容を詳しく、または、ある程度知っている高認知者は「29 歳以下」の若年層に多い傾向が見られます【図1】。
1 月調査では「個々の社会的な課題に対しての取り組みの有無」を聞きました。「省エネやリサイクル、マイバッグを持参など、環境保護のために心がけていることがある」が全体で 54.6%と一番多く、中でも 60代以上の男女は全体を 10 ポイント以上上回る項目がそれぞれ三つあり、関心の高さを伺えました。特筆すべき点として、「マイノリティ(LGBT といった性的マイノリティなど)の問題に強い関心がある」は全体で15.6%でしたが、29 歳以下の男性で 22.1%、女性が 32.8%と、スコアが高い傾向になっています【図 2】。
総じて、新聞読者は SDGs への理解が深く、社会課題リテラシーが高いことがわかりました。
認知経路は新聞、テレビが突出
SDGs 関連の情報収集経路としては、新聞、テレビがともに 73.5%と突出して高い結果になりました。男女ともに「新聞(電子版を含む)」は 60 代のスコアが最も高く、「29 歳以下」の若年層も過半数が情報源としています。若い世代の特徴としては、全体では 11.7%しかない「SNS」と回答した方は、男性 29 歳以下25.5%、女性 29 歳以下 25.2%と若い世代が他の年代よりも突出しており、世代により情報収集の経路に差があることがわかりました【図3】。
SDGs などへ取り組みを紹介する広告に「信頼、好感、共感」をもって接している新聞読者
SDGs 認知者ベースでは、「企業への信頼が高まる」かを聞いた設問では「あてはまる(あてはまる+ややあてはまる)は計 81.5%【図 4】、「企業への好感が高まる」と回答したのは計 81.1%【図 5】と高スコア。また「企業は SDGs への取り組みの内容や成果を広く社会に伝えるべき」かを聞いた設問では、SDGs 認知者の 78.8%が「あてはまる」を回答。特に 60 代女性は 89.1%と全体を 10 ポイント以上上回りました【図 6】。
1 月調査では、「社会的な課題に取り組む企業に共感できる」かを聞いたところ、そう思う、ややそう思うと回答したのは 91.7%でした。「社会的な課題への取り組みを知ることで、その企業の商品やサービスに関心を持つ」かを聞いたところ、そう思う、ややそう思うと回答したのは 87.6%【図7】でした。
社会が抱える課題に対して取り組みを行う企業の広告を読者は「信頼、好感、共感」をもって読んでおり、その企業の商品やサービスへの関心につながっていることが推察されます。